失ってから、「父のように生きたい人生」だと気付いた話
父が嫌だった。
家族のために我慢して、朝から仕事にいって帰宅は21時。
帰ってからはテレビを見て、犬のブラシをして散歩する。
そこまで稼げるスキルじゃないから (建築の設計師)、給料は平凡。
定年退職後は、家の近くで警備員の仕事をしていた。
そんな父が恥ずかしかった。
自分はもっと稼ぐし努力するし、自由に生きてやると思った。
あるときに父が体調を崩して入院した。
思ったより悪化して、ただの風邪なのに長期の入院。
母親も驚きつつ笑っていた。「こんなに酷くなるなんてねぇ」
でもその時は治ると言われていたので。お見舞いしつつ家族で話していた。でも父は言葉がうまく話せないほどに弱っていて、あまり会話できなかった。
当時の僕はタイに住んでいて、父のために一時帰国をした。
でも病気も大丈夫そうだし、いったんタイに戻った。
しかし3日後に母に呼ばれた。悪化したから戻るようにと。
別の病院に移動して、もっと大変そうな状態だった。
でも治ると言われていたし、まだ安心していた。
でもある日に呼び出しがあって、父が亡くなった。
僕は間に合ったけど、東京にいた兄は間に合わなかった。
でも僕は悲しくなかった。
僕と父はたぶん似ていて、そこまで生命力がない。
母に聞かれた一言を、いまだに覚えている。
- 母「あんただったら、お父さんの状態で生きたいと思う?」
- 僕「うーん、、リハビリとか大変そうだし、諦めてもいいかな」
なので父は諦めたのかもしれない。
父が亡くなっても、父の葬式の日でも、僕は仕事をした。
当時はブログを毎日更新して稼いでいた。
父に見せるためにも働いた。
自分はもっと稼いで、スキルを身に着けて自由に生きるぞと。
父のように引退して、警備員のような仕事はしないぞと。
以前に読んだ本にこんなことが書かれていた。
Imagine the you're 95 years old and ready to die. What advice would this wise "old you" have for the "you" who is reading this page? Take your time and answer the question.
翻訳:あなたが95歳で、死を覚悟しているとします。年老いたあなたは、今のあなたにどんなアドバイスをしますか? じっくりと考えて、回答してください。
僕の回答:自分に優しく。他人にも優しく。
これを実行していたのが父でした。
そして父のように生きてる自分がいました。
家族のために我慢して、朝から仕事にいって帰宅は18時。
帰ってからはゲーム配信を見て、犬のブラシをして散歩する。
笑っちゃうくらい同じです。
毎年お墓参りにいって、父にこういった話をしています。
大切なことを教えてくれてありがとう。他人に優しくして、生きていきます。
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