本日は「仮想通貨 × ランサーズ」の世界を紹介します【NASAも利用中】

こんにちは、マナブです。
本日は下記のサービスを取り上げます。

上記を深く調べてみたので、詳しく共有します。
記事を読むことで、仮想通貨の「世界観」も伝わるはずです。

Braintrustとは

結論は「クリプト版のランサーズ」です。

登場人物は「3名」です

Braintrustを理解するために、3名の登場人物を紹介します。

  • その①:フリーランス
  • その②:中間の紹介者
  • その③:仕事の発注者

上記のとおり。ここについて、いったん深堀りします。
»参考文献:公式サイトのホワイトペーパー

その①:フリーランス

公式サイトの用語では「Talent(タレント)」と書かれています。まぁ呼び方はどうでもいいので、僕は分かりやすいさを重視してライティングします。

フリーランスの役割とは、その名のとおりで「仕事を受注して、作業する人」ですね。現状だと「約8万人」くらいの登録者がおり、そのうちの「3,000名」くらいが「実稼働」とのことです。

なお、こういった「実際に稼働している人数」のことを、ネット世界では「アクティブユーザー」と呼んだりしますので、これを機に覚えておくのも良いかもです。

その②:中間の紹介者

続いての登場人物が「仕事の紹介者」です。公式サイトでは「Connector(=コネクター)」と記載されています。

なお、この「コネクター」をわかりやすく言うと、要するに「アフィリエイター」ですね。仕事の「発注者」を探してきて、そして発注者がBraintrustに「登録」をすることで、アフィリエイターに報酬が入ります。

しかし条件があり、登録時の報酬じゃなく、発注者が「実際に仕事を発注し、オファーが成立した際」に収益が入ります。そしてアフィリエイターの報酬は「フリーランスが受注した金額の10%」です。

なお、この10%は「トレジャリー」という部分から支払われるので、フリーランスの報酬には影響がありません。トレジャリーの解説は、また後ほどに記載します。

その③:仕事の発注者

3人目の登場人物が「発注者」ですね。ここは説明不要ですよね。公式サイトでは「Client(=クライアント)」と記載されています。

発注者には「10%の手数料」があり、例えば「20万円」の仕事を発注するなら、追加で2万円の手数料が必須です。この2万円は、ノード報酬になります。ノードに関しては、後ほど詳しく解説します。

なお、公式サイトサイトをみると、1つ「驚き」があります。具体的には、下記をご覧ください。

braintrust2

上記の「赤枠」に注目ですが、、、クライアントが凄い。NASAと、ナイキと、ネスレと、ポルシェと…。

これって、どういった状況でしょう? Braintrustは新しいサービスなのに、クライアントのレベルが高すぎです。ここの謎解きについて、次で解説します。

巨大クライアントを獲得した方法

結論は「オフラインで、2年ほど営業したから」です。創業者がBraintrustのアイデアを思いつき、まずは「オフラインでの実行をしてみた」とのこと。

そしたら仕組みが回ったので、そこに「トークン」を発行して、仮想通貨のサービスが完成しました。トークンの件は、のちほど解説します。

なのでNASAやナイキといった大きなクライアントは、Braintrustや仮想通貨のことを気にしていません。彼らは、Braintrustを通して「良質な人材」が獲得できているので、特に問題ないとのこと。

ここに関して詳しくは、The Defiantの記事をどうぞ。下記の記事ですが、これは有料なので、興味ある方のみでOKかなと思います。
»参考:Braintrust's Adam Jackson: “Nike is in Crypto Now”

オフラインからの始動は、面白い

ちょっと僕の意見を混ぜます。僕は「Braintrustがオフラインで実験を始めて、回る仕組みを作ってからトークン発行した」という点に興味を持ちました。

というのも、現代のクリプト系スタートアップは、いきなりトークンを発行して、なんというか「ガツガツ高速で稼いでやるぜ」といった感じがあります。

もちろん稼ぐことも重要ですが、この方法だとコミュニティが育ちません。コミュニティが育たないと、長期的な目線での「競合優位性」が生まれづらいのでは、、と思っています。その一方で、Braintrustは素晴らしいですよね。

なおBraintrustの創業者は、連続起業家です。過去に3社くらいを売却しており、億万長者だと思います。こういった部分も大切だと思っており、お金に困っていない人は、たぶん「長期視点で動けるのではないか」と思います。

以上が僕の感想です。続いてのチャプターでは、さらにサービスの内容を掘り下げます。ここからが本番という感じです。

なぜ、オープンソースなのか

最近は仮想通貨がバズっていますが、仮想通貨の世界を理解するには、間違いなく「オープンソースの理解」も必須です。見ていきましょう。

インターネットの歴史を振り返る

まずは「公式のホワイトペーパー」から、下記のとおり引用します。

If Web 1.0 built the readable web, Web 2.0 created the interactive internet we know today.

Web1.0は、読み取り可能なネット世界を作りました。そしてWeb2.0は、双方向のネット世界をつくりました。※補足:双方向とは、要するにSNSとかを想像したらOKです。

These technologies enabled unimaginable information abundance and wealth creation, but also generated huge fees and gatekeeping intermediaries.

世界は豊かになったと思いますが、同時に”莫大に稼ぐ中間業者”を生み出しました。

This drove most internet activity to consolidate around a handful of Big Tech companies — namely Amazon, Apple, Facebook, Google, and Twitter — lining the pockets of their investors, but not of the ordinary users who give these networks their value.

要するに、GAFAです。彼らは巨大なネットワークを持ち、投資家も潤いました。しかしユーザーには適切に還元されておらず、ここが問題です。

In contrast, Web 3.0 is the decentralized and user-owned web, enabling a distributed model that returns value to the users that create it.

これから生まれる”Web3.0”の世界では、価値を生み出したユーザーに、適切に価値を還元できるようになります。※補足:NFTの普及で、クリエイターの収入が伸びてますよね。こういった世界観を想像したらOKです。

It is made possible by blockchains that serve as immutable public ledgers of both value and the person responsible for producing it, allowing for peer-to-peer transactions that obviate the need for fee-extracting middlemen.

ブロックチェーン技術により、ピア・ツー・ピアの取引が可能になりました。すると中間業者が排除されて、これが革命を生み出します。※補足:ピア・ツー・ピアとは、中間業者なしで、直接取り引き出来ることを意味します。

上記のとおり。かなり「意訳」していますので、その点だけご了承ください。しかし直訳するよりも、分かりやすいはずです。

以上が「Web3.0」の解説です。続いては「オープンソース」についても解説してきます。

なぜ、オープンソースなのか(※基礎の解説)

オープンソースとは要するに、ソースコードが公開されており、誰でも使って良い状況を指します。実際に下記へアクセスをすると、Braintrustのソースコードが公開されています。
» Snowfork / BTRST-Contracts - GitHub

しかしリンク先の注意書きにも書かれていますが、現状は「アルファ版」です。つまり「開発途中」という状況なので、情報が少ない印象です。

なお仮想通貨のプロジェクトは、その大半がオープンソースです。参考までに「Uniswap」のソースコードのページも貼っておきます。こちらは充実しているので、読んで見ると勉強になると思います。※エンジニア向け。
» Uniswap - GitHub

オープンソースの重要性

サービスがオープンソースだと、誰でも開発に参加できます。中央に企業は存在しません。

そしてトークンが発行されて、サービスの運営方針は「ガバナンス(=投票)」で決定されます。これは中央集権よりもメリットがあり、例えば下記の状況です。

  • 企業が突然に「規約変更」する
  • 企業が突然に「手数料の変更」をする
  • 企業が突然に売却され、サービスが変わる

上記のとおり。中央集権だと、こういった状況が起きます。しかしオープンソースだと、コミュニティメンバー(=つまり、トークン保有者)によって決定されます。この方が、安心ですよね。

なお、今までのオープンソース開発では、開発しても「開発者には、お金が入らない」という状況でした。例えば「Linux」というOSはオープンソースですが、開発者は無償で働いています。

しかし「オープンソース × トークン」の時代になると、開発者にも「金銭的なメリット」が発生します。素晴らしいですよね。

トークンのメリットとは

トークンについて深堀りします。トークンとは、要するに「その組織が発行するコイン」ですね。Braintrustは「BTRST」というトークンを発行しています。役割としては、下記のとおり。

  • その①:投票に使う
  • その②:仕事の応募に使う
  • その③:特典の獲得に使う

上記のとおりで、順番にみていきます。

その①:投票に使う

投票については、言うまでもないですね。コインを持っていると、それが「投票券」になります。これは他の仮想通貨プロジェクトでも同じです。

なお、コインが投票券ということは、なるべく「所有者が分散」していると良いですよね。誰か1名が90%を持っていたら、それじゃあ独占なので。Braintrustの場合は、下記のとおりにコインが分散されています。

braintrust3

その②:仕事の応募に使う

続いての用途が「仕事の応募で使うこと」です。これだけ聞くと、よくわからないですよね。公式から引用します。

In a competitive market, talent may stake tokens to stand out, offering their tokens as collateral, which they would lose if they fail to deliver on the contract.

競争の激しい市場では、トークンを使って目立つことが出来ます。トークンを担保として、自分が仕事を達成できなかったら、そのトークンを失います。こういった応募者がいたら、クライアントから信頼されやすいはず。

Clients can also stake tokens, which go to qualified applicants if the clients don’t go forward with the job — encouraging talent to apply knowing they will be compensated for the time they spend crafting a proposal.

これはクライアント側でも同じです。クライアントが仕事を途中でストップしたら、最初に賭けてあったトークンを失うなど。こういった仕組みだと、フリーランサーの安心に繋がりますよね。

上記のとおり。これって凄くないですかね。例えばクライアントが仕事を発注するときに、事前に「着手金」を設定できるイメージです。例えばですが、下記のイメージです。

  • 発注者が「Web制作」の仕事を募集します。
  • 単価は20万円。着手金で10万円を払います。
  • 仕事が完了したら、残りの10万円を払います。
  • 仕事が中断したら、着手金は無料で渡します。

上記のイメージです。この「着手金」を「トークン」で実装するイメージです。

フリーランスだと「仕事の中断によりお金を失うリスク」がありますよね。こういった問題を、トークンで解決できます。

※補足:現状のランサーズにも「仮払い(=エスクロー機能)」がありますが、それの発展型とう感じですかね。ランサーズの場合だと、着手金の仕組みはありません。

その③:特典の獲得に使う

Braintrustには「熱心なコミュニティ」があり、そのコミュニティが「色々な特典」を用意しています。例えばですが、下記のとおり。

»Braintrust Academy

上記サイトでは「Braintrustの使い方、トークンの学習、仕事の取り方」などを学べます。驚いたのですが、これはコミュニティメンバーが自主的に作っているみたいです。コンテンツが洗練されており、現在だと公式サイトにも組み込まれていますね。

このコースを履修すると、トークンが貰えるみたいです。無料でチャレンジできますので、気になる方は挑戦してみて、トークン獲得するのもありかもです。たぶん日本人の受講者は、現状だと0人のはず。なので多少は目立てますよね。

コネクターの仕組みを深く解説

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。もう少しで終わりですが、もう少しだけ続きます。ここからも、大切な部分です。

コネクターとは

記事の前半で「コネクター」について説明しましたよね。要するに「中間の紹介者」のことです。この紹介者は、下記のメリットがあります。

  • 誰かクライアントを紹介する
  • クライアントがサイトに登録する
  • その後に仕事を誰かに発注する
  • 発注が成立したら、紹介料が発生

上記のとおり。上記の「紹介料」が、コネクターが頑張るインセンティブですね。僕も動いてみようかな、と思ったりしています。

誰が紹介料を支払うのか

しかし、1つ疑問が残りますよね。つまりBraintrustはオープンソースで、中央に企業が存在しません。なので紹介料が発生しても、誰が払うのか謎です。

ここで登場するのが「トレジャリー」です。日本語に訳すと「財務管理」です。このトレジャリーから、紹介者に紹介料が支払われます。

braintrust4

上記の画像は「トークンの分布」ですが、全体の54%が「トレジャリー」に使われていますよね。ここのお金から、コネクターに支払われる感じです。

でも、お金が尽きるのでは?

トレジャリーのお金は、トークン価格と連動します。トークン価格が値上がりすれば、トレジャリーのお金も増えます。しかしトークン価格が下がりすぎてしまうと、ここの資金は枯渇しますね。

ここに関しては、たぶん明確な解決策が提示されていないはずです。色々な情報ソースを確認しましたが、確実な解決策はありません。

現状は「ノードが稼いだ金額で、トークンを購入したらどうか?」という提案があるとのこと。

とはいえ、、、スイマセン。ここを読んで多くの人は、頭に「ハテナマーク」が出ますよね。いったん「ノードの説明」をさせてください。

ノードの役割について

ノードとは要するに、Braintrustのネットワークに繋がっている「パソコン」です。このパソコンが動いていることで、Braintrustのネットワークが稼働します。

しかしノードを稼働するには、パソコンが必要だし、電気代もかかるし、手間もかかるし、、要するに「コスト」がかかりますよね。

では、誰がノードを担当するのか? 結論は「誰でもOK」なのですが、コミュニティ投票で承認される必要があります。

そしてノードになれると、クライアントが支払う金額の「10%」を獲得できます。例えば僕がBraintrustで「100万円」を稼いだら、ノード担当者の収入は「10万円」です。

そして先ほどの話に戻りますが、コミュニティでは「ノードが稼いだ金額で、トークンを買ってみたらどうか」という提案があるみたいです。するとトークン価格が上がりますので、トレジャリーの財力が増えるイメージです。

とはいえ、、、どうなんでしょう。この仕組みだとユーザーが増え続けない限り、トレジャリーの資金は無くなりますよね。わりと大きな問題だと思いますが、まだアルファ版サービスなので仕方なしですかね。

というわけで、、お疲れさまです。

長くなってしまいました。以上がBraintrustの仕組みです。なお、この仕組みを理解すると、他のプロジェクト理解にも進むはずです。

仮想通貨の世界では「トークンエコノミー」といった言葉がありますが、今回の説明は「正にそれ」です。まだまだ発展途上の分野ですが、今後にも注目したいと思います。

余談:Braintrustはランサーズに勝てるのか

最後に少しだけ、僕の「考え」も記載してみます。

結論:たぶん勝てると思う

僕は「既存のランサーズの仕組み」よりも、Braintrustの仕組みの方が「フリーランスにフレンドリー」だと思います。

というのも、ランサーズとかで稼いでも、手数料が高いですよね。せっかく10万円くらいを稼いでも、10〜20%くらいを持っていかれます。これって、かなり高いです。

なお発注者側だと、手数料はありません。なので現状のランサーズを観察すると、基本的には「発注側が、圧倒的に有利」という状態です。

それもそのはずで、発注者が増えることで、ランサーズは儲かりますからね。末端で働くフリーランスが、最も損している構図です。

ランサーズは、嫌われているかも

ランサーズ関係者の方がいたらスイマセン。でも事実として書くと、現状のランサーズは「フリーランスから、嫌われている可能性が高い」です。というのも、手数料が高いし、発注者ばかりが優遇されるため。

こういった構図は、例えば「Uber Eats」とかも同じですよね。たぶん飲食店は、Uber Eatsを使いたくないはず。なぜなら手数料が鬼高いから。こういったモデルのビジネスだと、結局はユーザーが定着しづらいと思っています。

Braintrustだと、フリーランスが喜ぶ

一方でBraintrustだと、フリーランスは嬉しいはず。なぜなら、手数料は0%です。完全にゼロ。最高ですね。

じゃあ、誰が手数料を払うのか?
それは「企業」ですね。

例えば、企業が20万円の案件を出す場合には、Braintrustへ「10%」の手数料が必須です。つまり2万円。この2万円は、ノード運営者に入っていく仕組みです。

こうなってくると、フリーランサー達はBraintrustを応援しますよね。企業としては「うわ、、10%の手数料は払いたくないな…」と思っても、コストよりも人材を重視するはず。なので僕が思うに、ここがBraintrustの優位性です。

未来では、棲み分けが起こるかも

もう少し深堀りすると、ランサーズとBraintrustでは、マーケットが異なっている印象もあります。

  • ランサーズ → とにかく”安く動いてくれる人材”を探す際に使う
  • Braintrust → 多少は高くてもいいので、”高品質な人材”を探す際に使う

上記のとおり。実際に下記が「Braintrustの仕事リスト」ですが、明らかに「高単価」ですよね。時給1万円超えばかり。

braintrust5

なので、高単価な仕事はBraintrustに流れ、低単価はランサーズ、といった感じかもです。このように考えていくと、Braintrustの真の競合は「フリーランスエンジニアの派遣会社」かもですね。

どちらにせよ、フリーランス側の意見としては、嬉しいイノベーションだと思います。手数料が減るということは、フリーランスの収入が増えることを意味します。

ランサーズはコイン発行するのか

これで最後です。もう終わります。もし仮に「ランサーズが、コインを発行したらどうなるか?」と考えてみるのも面白いです。

僕の結論を先に書くと、仮にランサーズがコイン発行しても、たぶんBraintrustには勝てないのでは、と思っています。

というのもランサーズは中央集権なので、いつ規約変更するか分かりません。なのでコミュニティに支持されるのは、間違いなくBraintrust側です。こうなってくると、巨大企業は不利な時代になりつつありますね。

また、言うまでもなくですが、日本版の「Braintrust」が出てきたら、面白そうです。誰か作る場合は、僕も「応援 or 投資の検討」をしますので、ぜひご連絡くださいませ。

というわけで、めちゃくちゃ長くなりました。この分野は僕の興味関心が深く、指が痛くなるまでタイピングしました。指の痛さはどうでもいいので、少しでも皆さんの参考になれば幸いです。

それでは、引き続き頑張りましょう。僕もまだまだ雑魚なので、引き続きで学習しつつ、当サイトにて共有してきます (`・ω・´)ゞ


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