【読書ログ】幻覚剤と精神医学の最前線【MDMAの合法化について】
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正直に書きます。
カナダに住む知人から紹介された本です。彼は「大麻関連の発信をするインフルエンサー」です。たまにメールのやり取りをしてきた、ゆるい関係値です。
そして僕は「タイで大麻ショップ」を起業しています。大麻に関わるとネット決済が止められるので一時的に離れていますが、また戻る予定。というか最近は法人を閉じることを決めたので、こういった本音の記事を書ける状態です。
僕は大麻を吸った経験もあるし(というか、最近はほぼ毎日吸っています。睡眠と思考が深まります)、あとマジックマッシュルームも複数回で試したことがあります。人によってはドン引きするはず。しかし、またネットに本音を書いていくことを決めました。
こういった背景の僕が本書をレビューします。心の弱っている人に届いて欲しい。
※本書の著者について:デヴィッド・ナット氏。精神科医。イギリスにあるハマースミス病院の医学部教授。2010年には英タイムズ紙の雑誌で「英国でもっとも影響力ある科学者100人」に選出された。2017年にはバース大学から「名誉法学博士号」を受賞。
マジックマッシュルームとMDMAの合法化
米国では2、3年以内に「マジックマッシュルーム(サイロシビン)」と「MDMA(エクスタシー)」が医薬品として位置づけられるようになるだろうとバイデン大統領が明言している。数年のうちにヨーロッパもそれに続くと期待されている。2023年2月、オーストラリアでは薬品・医薬品法が改正され、2023年7月1日づけでマジックマッシュルームとMDMAの医療目的での利用が認められることになった。
まず、この時点で日本人は驚くと思います。今の精神医療は大きく進んでいます。日本はドラッグに対して「ダメ・絶対」というメッセージでした。それを国民は盲信しました。
しかしドラッグと政治の繋がりは深く、歴史を学ぶとドラッグ禁止と政治の繋がりが見えてきます。そして過去に禁止されたドラッグの「本当の価値」が見直され始めました。
僕が「幻覚剤の効果」に期待している理由
多くの人は柔軟な思考を持っていません。決められた固定観念やルーティンに縛られています。それは脳の作りからも説明が出来ます。
脳の仕組みは「事前知識」に依存している。目の前の対象を見る前に事前予測をしている。しかし、この効率性は「柔軟性の欠如や創造性の喪失」といった代償をともなう。
思考は固定化しやすい。さらに下記をご覧ください。
18世紀の詩人であり画家であった「ウィリアム・ブレイク」が生み出した、脳の仕組みを言い表すのに良い表現がある。それが「心がつくった手かせ」だ。うつ病や依存症の症状から抜け出せない、とらわれた脳の状態を表す強力なアナロジーにもなっている。
うつ病やメンタル疾患に苦しむ人は「ルーティン思考」に支配されています。そういった支配から解放に導くもの、それが幻覚剤と言われています。人間の固定化した思考を「DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)」と呼びます。引用をさらに続けます。
人によってはルーティン思考の大半が「幸せな記憶」や「将来へ向けた前向きな計画」など、ポジティブなもので占められている。しかし、うつ病などのメンタル問題を抱える人はそうではない。否定的な思考に過剰に囚われている可能性がある。
これって、まさに「うつ病やメンタル低下」に似ていませんか? 今の思考には意味がないと思っていても抜けられない。抜け出せない。そういった「固定化された思考ループ」から抜け出すためにも幻覚剤が使われます。
DMNの停止は固着した思考から逃れる機会となる。
幻覚剤を使うと脳のDMNが停止します。つまり「凝り固まったルーティン思考」から解放されます。旅も似ていると思いました。ルーティンが崩れるので、新しい発想が入る。
スピリチュアル的な文章に見えるかもですが、脳科学的にも説明できる内容です。そして僕は大麻を使って経験しており、日々、創造性を高めています。
もう何年も前から気分障害や依存症の患者では「神経可塑性(=脳が経験や学習によって柔軟に変化する性質)」が阻害されていることが知られていた。実際、中年の慢性うつ病患者の脳は、10歳年長の人の脳と同じぐらい萎縮している。
うつ病や気分障害は脳を老化させる訳です。僕も鬱っぽい状態を過去に経験しており納得です。当時は判断力が大幅に下がりました。今は大麻の力、そして瞑想の力で回復中。
最近は、毎日1時間の瞑想をしています。気持ちがスッキリして思考が明瞭になります。レビューは以上です。その他の引用も、下記に貼っておきます。
「どんな問題も、それがつくり出されたときと同じ意識レベルにとどまっていては解決できない」と、アルベルト・アインシュタインも言っている
幻覚剤は、手かせをはめられた心を解き放つための手段になるかもしれない。幻覚剤の影響下でDMNがオフラインになったとき、人は習慣的な思考や自分自身についての思いこみから一歩足を踏出し、いつもの事前知識から逃れるチャンスを手に入れられると私たちは考えている。
サイロシビンの影響下では、そして後の研究で示されたようにLSD影響下でも、脳内のつながりが変化する。より多くの脳領域の間に、新たなつながりが大量に生まれていることがわかるだろう。「スモールワールド」が、「ラージワールド」ネットワークになるのだ。いつものネットワーク内でのコミュニケーションが断ち切られ、ネットワーク間の相互作用が増幅される。手かせが外れた脳はすっかり自由になり、幼児期以来なったことがない状態に戻るのだ。DMNの支配力が減退することで、トップダウン型の指令からの制約を受けることなく、脳が自由に働けるようになるためだ。
以上の研究結果に基づき私たちは、瞬時に脳を混乱させることで、サイロシビンは人々を凝り固まったネガティブな思考パターンから解放できるのではないかと考えている。そのうえで、異なるネットワーク間の接続が増加することで、うつ病を引き起こした問題を克服する新しい方法を見つけることができ、ひいては幸福感が改善するのである→脳の凝りをほぐす = サイロシビン
エスシタロプラムのような従来の抗うつ薬は脳内に残留している間、化学的なレベルで脳に作用し、ストレスが脳を抑うつモードに押し戻すのを防ぐ。これはうつ病に対するレジリエンスを高めるための1つの方法だ。サイロシビンは、たった1度の服用で思考プロセスを変化させ、幸福感を向上させる働きがある。これもまた、レジリエンスを高める方法なのである。→薬=対処療法、マッシュルーム=根本療法
サイロシビンを選択したのには、いくつかの理由がある。まず、サイロシビンが非常に安全であることだ。世界各地で、何千年にもわたり何百万人もの人々が使用してきたにもかかわらず、サイロシビンが原因であると証明された死亡例はない。英国では、秋の収穫シーズンになるとティーンエイジャーや20代の若者がよくマジックマッシュルーム茶を作っているし、生のマッシュルームが違法となったのはつい最近、2005年のことである→マスメディアの情報操作
幻覚剤療法におけるセラピストの役割は独特であり、通常の心理療法におけるセラピストの役割とはまるで違うと説明する。幻覚剤療法のセラピストは、「存在と忍耐力、受容力を、安全な入れものの中で提供する」ガイドとしての役割の比重が大きく、「その入れものとなるのは、本物の信頼、本物の思いやり、本物の秘密保持と安全性が担保される、治療のための確かな関係である」。博士は、セラピストは感情的に困難なところへ向かおうとする被験者を止めるためにそこにいるのではない、彼らが困難な心の奥地にいる間、その傍らに存在し続けるのだ。なぜなら困難もまた回復のために必要な体験の一部だからだ、とも述べている。→ガイドの価値が上がる未来
同教授が集めたのは、1日平均1箱のタバコを30年間吸い続けてきた15人の筋金入りのヘビースもーカーたちだ。被験者は、4カ月にわたり、2~3回のサイロシピン・トリップ・セッションと、悪習を断つための標準的なセラピーである認知行動療法(CBT)セッションを受けた。結果は驚くなかれ、最初のセッションを終えて1週間後、タバコを吸う者は誰ひとりいなかった。6カ月後には12人(80%)が禁を継続していた。ニコチン依存症に対して現在もっとも効果があるとされている、チャンピックス(パレニクリン)と呼ばれる禁煙補助薬を用いた治療でさえ、この割合はわずか30%にとどまる。→マッシュルームでの禁煙効果がすごすぎる
群発頭痛は男性によく見られ、夜間に発作が起こることが多い。片頭痛の一種であると考えられているが、発症の原因は定かでない。また、既存の治療法が効かないケースがたびたびある。幻覚剤を数日おきに(通常)マイクロドージングか、あるいは幻覚を生じさせない低中用量で投与すれば、頭痛発作が治まるだけでなく、長期の寛解につながる可能性があることが以前から知られている。
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