【読書ログ】正欲【マイノリティに焦点を当てた小説/素晴らしい作品】

本書を読み、自分は性的にもマイノリティだと気付きました。マイノリティ側の視点で書かれた本ですが、とにかく共感が多かった。あと、この本は映画化されますが、下記の部分は「社会問題になるのでは…?」とも思いました。

YouTubeのコメント欄を 覗いてみる。すると案の定、既に様々な界隈の人間からリクエストが書き込まれていた。 『次は水中息止め対決を希望します。罰ゲームは肺活量を鍛えるということで、首絞めでお願いします』 これは、窒息フェチからのリクエスト。 『全身をサランラップでぐるぐる巻きにしてから何秒で脱出できるか、というゲームが海外で流行っているようです。日本でやってるユーチューバーはまだ少ないので、やったらバズると思いますよ!』  これは、全身をミイラのように拘束することを好むマミフィケーションフェチからのリクエスト。

例:「bikini haul(水着選びをアドバイスするような動画のサブジャンル)」というキーワードでYouTube検索すると、検索結果には児童の水着姿の動画が表示される。これらの動画自体はポルノ的なものではないが、そのコメント欄にはその動画上で小児性愛的に好まれるシーンへのリンクが投稿されている。こうしたコメントが大量に存在し、YouTubeのお薦めアルゴリズムにより、これらのコメントを簡単に利用できる。

上記の内容は実際にニュースになっています。日本だとバズっていない(?)。全体的に暗い小説ですが、本当に素晴らしい作品でした。もう1つだけ引用です。

自殺の方法を一度も調べたことのない人の人生は、どんな季節で 溢れているのだろう。

レビューは以上です。素晴らしい作品でした。

» 正欲 (著:朝井リョウ)

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