世界2.0:メタバースの歩き方と創り方【僕がゲーム開発をする理由】

この本の概要

インターネット以来の大革命。メタバースとは「神」の民主化だ。メタバース事業の最先端をいく起業家が全てを書き尽くした決定版。産業革命、インターネット、そしてメタバース。人類はいよいよ最終局面を迎える。

読書レビュー

未来を学べる本です。僕は著者の意見に賛成しつつ、現在は「コミュニティ主導のゲーム開発」をやっています。この分野が好きでもあるので、好きな未来を作るためにもコミットしつつ、チャンスを探りたい。

なお99%の人は「コミュニティでゲーム開発とか謎すぎる」と考えると思いますが、これは良い兆候でもある。僕は引き続きで「一般の人からしたら、なにそれ美味しいの?」と思われる領域でビジネスを作っていきたい。そういった領域だからこそ、チャンスがあると考えています。

» 世界2.0 メタバースの歩き方と創り方

僕のハイライト

イギリスのSF作家、ダグラス・アダムスは非常に説得力のある法則性を残しています。「人間は、自分が生まれた時に既に存在したテクノロジーを自然な世界の一部と感じ、15歳から35歳の間に発明されたテクノロジーは新しくエキサイティングなものと感じられる。35歳以降になって発明されたテクノロジーは、自然に反するものと感じられる」

2000年代では「モノづくり大国ニッポン」として形あるものを作ることこそが「実業」であり、無形のソフトウェアやコンテンツを作るインターネットは「虚業」と言われていました(今でもそう呼ぶ年配の方はたくさんいますが)。そして、伸ばしていく産業ではなく規制していく対象でした。

かつてのGoogleは、WorldWideWebに勝手にクローラー(ネット上の巡回ロボット)を走らせて情報を収集し、検索結果に表示していました。当時は著作権法的にグレーゾーンだったため、こういうやり方のせいで初期のGoogleは多くの訴訟を抱えることになります。著作権にセンシティブである日本では「Googleのやり方はグレーゾーンだ」という認識が強く、企業はこの分野に本気で投資してきませんでした。

「好きなことをやって生きていく」からさらに一歩進み、「なりたい自分で生きていく」という流れに変わるのです。

つまり、議会が作り出すアルゴリズムを「法律」と呼び、コンピュータが作り出すアルゴリズムを「AI」と呼んでいるだけで、実は私たちは数百年前からアルゴリズムに従って社会を運営してきました。かつて国家は王様や貴族など少数の特権階級によって支配されていました。為政者の暴政によって国が滅んでしまったり、クーデターや内乱が起きたりと、数々の失敗を経験し、その結果、「王」の上に「法」を置くことで、国を治める方法を見つけました。それが近代の『法治国家』です。そして、法律は民衆を代表する代議士たちが議会に集まって多数決によって決めていき、ここ300年ぐらいは割とよく回ってきました。一方で、近年はこの方法での国家運営にも限界が見えてきています。情報化社会とグローバル化によって、世界はどんどん絡み合って複雑化してきており、人間が把握できるレベルを超えてきています。ある問題を解決しても、それがまた別の問題を引き起こし、一つの国の出来事は一瞬で世界全体に波及します。昨今のテロ・環境問題・コロナ禍を例にとっても、一つの国で起きた問題は世界全体の問題へと一瞬で波及します。こういった密接に絡み合った複雑な問題を解くことに人類は慣れていません。国益を大前提として議会で導き出した正解が、世界全体からすると不正解とされる事態も挙げたらキリがありません。アメリカのトランプ前大統領の政策・ブレグジット・中国の香港統合問題などが浮かぶのではないでしょうか。さらに近年ではあまりにも世界が複雑化して客観的に事実を把握することが難しくなったため、「事実であるかどうか」よりも「自分が納得できるかどうか」に重きを置く人も世界中に増えてきています。


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