すばらしい新世界:環境問題に興味がある向け。のんびり読める小説
本の概要
ヒマラヤの奥地へ技術協力に赴いた主人公は、現地の暮らしに触れ、深く人々に惹かれてゆく。人と環境との関わりの先に、新しい世界への光を予感させる長編小説。
読んでみて思ったこと
以前に読んだときは途中で飽きのですが、改めて読んだら素晴らしい作品でした。池澤夏樹さんの文章は美しく、心が癒やされます。環境問題に繋がる小説なので、エコやサステナブルに興味のある方は、楽しく読めるかと思います。暇な時間に、のんびり読める一冊です。
僕のハイライト
話の展開が軽い。これでいいんだと林太郎は思った。重大なことを軽く決める。
自動車の衝突が実は墜落とまったく同じものだということに気づけば、人はシートベルトなしで子供を抱いて運転するような無謀はしなくなるだろう。
結果という字を見ればわかるだろう。果実を結ぶと書く。世の中では、努力に答えが出ることをすべて、果物づくりに喩えて言うんだ。成果というのも同じ。成った果実だ。人間が何かすることの基本の形は、あんた、果物づくりなんだよ
私は年の三分の二は日本で家業をやっています。小さな会社ですが、幸い経営は安定しているし、家内がしっかり者なので年に四か月までならば私がいなくてもやっていける。だからこうして今ここにいるんです。それでも生涯を捧げるなんてとても言えない。ボランティアというのはそれでいいと私は思うんですよ
形容詞が多すぎる文章には用心した方がいい、というのは文章にたずさわる者の心得の一つである。そういう文章には誠意がない。形容詞を乱発するのは何かを隠している時だ。要するにこれは論理的な説明の文章ではなく、広告の文体、いわゆるコピーだった。
わたしの祈りは決して願いや望みではなく、いつも感謝であったと思います。自分が一つの命として世にあることをわたしは喜んできました。与えられるものすべてをわたしは感謝の両手に受け取ることができます。その力がわたしの心にはあります。
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