ライオンのおやつ:死の描写に関して、最も「納得感」のある作品

本の概要

人生の最後に食べたいおやつは何ですか? 若くして余命を告げられた主人公の雫は、瀬戸内の島のホスピスで残りの日々を過ごすことを決め、穏やかな景色のなか、本当にしたかったことを考える。今が愛おしくなる物語。

読んでみて思ったこと

死に関する本を、色々と読んできました。人により色々な描写がありますが、本書に書かれている「死」が、僕にとっては「最も納得感のある描写」でした。感動する作品です。

» ライオンのおやつ(著:小川糸 )

僕のハイライト

思いっきり不幸を吸い込んで、吐く息を感謝に変えれば、あなたの人生はやがて光り輝くことでしょう

生まれるのも死ぬのも、自分では決められないもの。だから、死ぬまでは生きるしかないんだよ

辛い時こそ、空を見上げて思いっきり笑うんです。そうすれば、あなたよりもっと辛い思いをしている人たちの希望になれます

人はな、楽しいから笑うんやないんやて。笑うから、楽しくなるねん。割り箸でも鉛筆でも、なんでもええから、試しに一本口に挟んで、にーって笑ったまま漫画でも読んでみぃ。おもろくなるで。そうするとな、脳にドーパミンっていうのが、出るんやて。すごいやろ?

私ね、死って、最大級のオーガズムみたいなものなんじゃないかと、期待しているんです

面白いことに、生きたい、まだ死にたくない、という気持ちを素直に認めてあげたら、心が軽くなった。それは、自分でも予想していなかった自分自身の変化だった。

おしりの方からふわーっと宙に浮いて、そのままゆっくりとでっかい宇宙船で持ち上げられる感じ

私のことを誰かが思い出してくれるたびに、地球がぼんやり明るくなるから

人の幸せっていうのは、どれだけ周りの人を笑顔にできたかだと思う、と。唯一、俺を最後まで見捨てずにいてくれたのが、女房だったんだと後からわかった

生きることは、誰かの光になること。  自分自身の命をすり減らすことで、他の誰かの光になる。そうやって、お互いにお互いを照らしあっているのですね。

» ライオンのおやつ(著:小川糸 )

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