告白:とにかく面白く、声を出して笑える作品。しかし奥が深い
本の概要
人はなぜ人を殺すのか――。実際に起きた「河内十人斬り」をモチーフにした作品です。第41回:谷崎潤一郎賞受賞作。
読んでみて思ったこと
とにかく!面白い!
ここまで読みつつ、声を出して笑ってしまった作品はありません。筆者の文体も読みやすく、リズムも良く、先が気になって、読み進めてしまいます。
またストーリー自体も奥が深く、主人公の「熊太郎」の優しさや、社会での生き辛さ、しかし正直に生きており周りから愛される姿勢など、多くのことを学べます。
最後の結末も素晴らしく、人生の「意味」について、深く考えることが出来る作品です。
僕のハイライト
考えてみれば俺はこれまでの人生のいろんな局面でこここそが取り返しのつかない、引き返し不能地点だ、と思っていた。ところがそんなことは全然なく、いまから考えるとあれらの地点は楽勝で引き返すことのできる地点だった。
» 告白(著:町田康) - Amazonつまりあれらの地点が本当に引き返し不能の地点であれば俺はそこできちんと虚無に直列して滅亡していたのだ。ということはこんなことをしないですんだということで、俺はいま正義を行っているがこの正義を真の正義とするためには、俺はここをこそ引き返し不能地点にしなければならない。
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