2022年の「仮想通貨トレンド」を追いかける為に必要な知識【後編】
こんにちは、マナブです。
本日は下記の「3〜5」について解説します。
- 1.Web3の基礎理解 ← 前回に解説済み
- 2.スケーリング技術 ← 前回に解説済み
- 3.最近のDeFiの流れ
- 4.NFTへの基礎理解
- 5.DAOの成長と問題
前回の記事を読んでいない方は「こちら」からどうぞ。
というわけで、前置きは無しにして、進めていきましょう。
※補足:文字数が「9,000文字」なので、すこし長いです。とはいえ、10分ほどで読めると思うので、移動中とか、もしくはコーヒーでも飲みつつどうぞ。
3.最近のDeFiの流れ
まず大前提として「DeFiの基礎」と「主要プロジェクト」をご存知ですか?
ここの理解が浅いと、結局は「これから解説する応用問題」は理解できません。なので「急がば回れ」の精神にて、まずは下記の理解をオススメします。
もしかすると、面倒に感じるかもです。そして「うわ、、ダルいけど、、流し読みするか」という気持ちになるかもです。
そういった方にお伝えしたいのですが、それならむしろ、今回の記事は「スルー」してください。読まなくてOKです。
というのも、今回は「どちらかというと、応用の話」なので、つまり基礎理解が浅いと、結局は理解しづらい話です。まずは上記の記事にて、基礎を固めましょう。
基礎理解を終えている方へ
さて、本題に進みます。2022年の「DeFiトレンド」を理解するには、間違いなく「Curve戦争 (通称:Curve War)」の理解が必須です。
DeFiの有名プロダクトに「Curve」がありますが、ここが「CRV」というトークンを発行しています。そして今回説明する「Curve戦争」を理解するには、まずは「Curveの構造理解」が必要です。というわけで、まずは基本から進めていきます。
※補足:Curve戦争が起こるということは、それだけ「Curveの存在感が増している」ということを意味します。ここを理解した上で、読み進めてください。
Curveが発行する「CRV」とは
CRVとは、Curveが発行する「ガバナンストークン」です。ガバナンストークンとは、言葉のとおりで、そのプロジェクトの「ガバナンス(=統治・管理)」に参加できる権利です。そしてCRVトークンの価格は上昇しており、下記のとおり。
このCRVを深く理解するには、まずは下記の理解が必須です。
- CRVを持っていることで、Curveの意思決定に参加できる
- Curveで取引が実行されたときの手数料(0.02%)を獲得できる
- Curveで「どのプールにブーストするか」を「投票&選択」できる
まず1つ目は簡単ですね。通常のガバナンストークンと理解したらOKです。
続いて2つ目も簡単ですね。Curve内でトークンが交換された際に、そで発生した手数料の「0.02%」が、トークンの所有者に分配されます。分配を受け取るには、CRVを「サイト内にロックしておく必要」があります。
続いて3つ目ですが、この「ブースト」が重要な概念です。次の項にて、深く解説していきます。
Curveには「ブースト」の機能がある
百聞は一見にしかずなので、下記の画像をご覧ください。
上記の「赤枠」には「Rewards APR」と書かれています。翻訳すると「Rewards = 謝礼」なので、要するに「追加報酬がありますよ」という意味です。
例えば、1番上には「tricrypto2」と書かれており、ここの「ベースのAPY」は「0.24%」です。つまり利回りが「0.24%」ですね。
これだと少なく感じますが、しかし「Rewardsの利回り」を追加すると、なんと「16.5%」になります。なぜ、こんなことが起こるのか? ここに「Curveのガバナンスの仕組み」があります。
投票によって、報酬が「ブースト」される
結論から書くと下記のとおりです。
- CRVを持っていると、それが「投票券」になり、そして「どのプールに追加報酬を与えるか」に、投票することができる
Curveは上記の設計になっているので、だからこそ、多くの人が「CRV」を欲しがる訳ですね。
たくさんのCRVを持っていたら、それはつまり「たくさんの投票券」を持っていることになります。そして更に「自分のプールにブーストを与える権利」を持てます。つまり「たくさんのCRV=自分が儲かる」に繋がります。
投票力を高めるには、長期間のロックが必要
英語で分かりづらいのですが、下記の画像をご覧ください。
赤枠の部分に「1week、1month、3months」といった感じで「期間」が書かれていますね。CRVを持っている人は、このページで「CRVのロック」ができます。そしてなるべく「長期間のロック」をすることで、大きな投票力を得ることができます。
ここは理解しやすいですよね。長期間でロックをするということは、それだけ「Curveというプロジェクトの将来性」を信じていることに繋がります。そのような人に「大きな投票パワー」を与えることは、合理的だと思います。
しかし、ロックするのは怖くないですか?
とはいえですが、、多くの人は「ロックしてもいいけど、、DeFiのトレンドは早いので、ちょっと怖いな」と感じるはず。というのも、このマーケットを知っている人からしたら常識ですが、3ヶ月とかで大きな変化が起こります。
なのでCRVを1年くらいロックしてしまうと、その間で「Curveがオワコン化する…」という事態が起こるかもです。こういった問題を解決するために、新しいプロジェクトが生まれました。ここからが「Curve戦争」の話です。
Curve戦争 (通称:Curve War) とは?
簡単に言うと「CRVの奪い合い戦争」です。メインの参戦者は、下記2つのプロジェクトです。
- 参戦者①:Yearn(ヤーン)
- 参戦者②:Convex(コンベックス)
上記のプロジェクトは、下記の問題を解決します。
- CRVをロックせずに、CRVのブースト報酬が欲しい
上記のとおり。これって、凄いワガママですよね。
本来は「CRVを長くロックする=ブースト報酬を得られる」という仕組みでした。しかし「YearnやConvex」といったツールを使うことで、ロックなしでブースト報酬を得ることができます。それでは、仕組みを見ていきましょう。
仕組み:利用者に「預り証」を渡す
例えば「Yearn (ヤーン)」を例にすると、このプロジェクトを通して「CRV」をロックすると、その際に「ロック・トークン (名称:yveCRV)」を獲得できます。
なお当たり前ですが、Yearnを通さずにも、Curveから直接に「CRV」をロックすることも出来ます。この場合だと、ロック後に「veCRV」というトークンを獲得できます。ヤヤコシイですが、下記で整理します。
- Yearnを通して、CRVをロック → yveCRVをゲット(※市場で売れる)
- Curveから直接、CRVをロック → veCRVをゲット(※市場で売れない)
上記のとおり。Curveから直接でロックしてしまうと、そこで得た「ロック・トークン」を売ることができません。完全にロックされてしまう訳ですね。
しかしYearnを通すことで、いつでも売却できるトークンを獲得できるので、この方が安心じゃないですかね。Curveがオワコン化しそうになったら、売却して逃げれます。
さらに、手数料の削減にも繋がる
もっと言うと、Yearnを使うことで「手数料の削減」にも繋がります。
というのもCurveでは、ブーストされるプールがちょくちょく変更されます。ブースト先は投票で決まるので仕方なしですね。例えば、下記をご覧ください。
- 1週目:自分のプールがブーストされた
- 2週目:自分のプールがブーストされた
- 3週目:自分以外のプールがブーストされた
- 4週目:自分以外のプールがブーストされた
上記になったときに、皆さんはどうしますか? 3週目と4週目で、自分が使うプールを変更してもいいですが、その都度で「資金移動のための、手数料」が発生します。
しかしYearnなどを使えば、システムが自動化してくれます。自分で手数料を払わずとも、出来る限りで「最適化」してくれる訳ですね。
とはいえ、、厳密には「自分が払う手数料」も発生します。それは「Yearn」に払う手数料です。Yearnは「利益の20%」を手数料として徴収します。さらに、2%の「管理費用」も発生します。
デメリットもあるけど、メリットも大きい
手数料はデメリットですが、メリットの解説をします。
このプロジェクトは「自社で稼いだ手数料を、さらに再投資してくれて、参加者全員の利益を増やす」という構造になっています。要するに「Yearnが稼ぐ → 利益の10%が再投資される → Yearn参加者の利益が増える → みんなでウハウハ」という訳です。
素晴らしいですね。そしてYearnの競合である「Convex」も、基本的には同じ仕組みです。とはいえ、小さな違いがあるので、下記に記載しておきます。
- Convexは「利益の16%」が手数料です。Yearnだと、利益の「20%」が手数料です。そしてYearnの場合は、さらに「2%の管理手数料」も発生します。
- Yearnでは、利益の再投資が自動化されています。Convexの場合は、利益の再投資は手動で行う必要があります。
なお、記事執筆の時点(2022年1月15日)では「Convexが、わりとバズっている」という状況ですが、しかし実際のパフォーマンスは「Yearnの方が高い」という状況です。
Convexは手数料の低さ強みだと思いますが、しかしYearnは手数料が高いにも関わらず、継続的に使われており、かつ大きな利回りを維持しています。未来はわかりませんが、投資をするなら深い分析が必要そうですね。
※さらに詳しく学びたい方は「Is Convex the YFI killer?」と「Governance of DeFi Giant Curve in Flux as Smaller Convex Exerts Control」をご覧ください。
さらに別の話:DeFi 2.0の動きについて
申し訳ないです。DeFiだけでも話が難しいのに、最近は「DeFi 2.0」という動きも出てきています。絶望ですね。しかし基礎理解があれば、応用問題も理解できるはず。なので簡単に、DeFi2.0についても解説します。
DeFi 2.0 = プロジェクトが「自分の貯金」を持っている
例えばですが、DeFiといったら「Uniswap」が有名です。トークンを簡単に交換できて、誰でも登録なしで利用できます。これは素晴らしいですが、しかし「Uniswapの価値=利用者が多いから保たれている」という状態です。
当たり前ですが、Uniswapの利用者が減り、そして効率的に「トークン交換」が出来なくなったら、それじゃあ誰もUniswapを使わないですよね。これは当たり前でもありますが、もう少し「改善策」がありそうです。
DeFiの本体が「財布を持つ」という発想
例えばですが、僕はUniswapのファンです。Uniswapはサイトが美しいし、使いやすいし、たぶん伸びていくと思います。
しかし、DeFiの世界は「茨の道」なので、もしかすると「一時期には、Uniswapの人気が大きく下がるかも」という状態も予想できます。
そういった「一時期な停滞」のときに、今のUniswapの仕組みだと、人気が減ると更に人気が減り、負のループが加速します。これだと、素晴らしいプロジェクトなのにモッタイナイですよね。
プロジェクトが「債券 (=借金の証明書) 」を発行する時代
例えばですが、Uniswapが「債券」を売っていたらどうですか? 日本国は「国債」を売っていますよね。日本を信じている人は、国債(=日本国の借金)を引き受けることで、そこから利回りを得ることができます。
この発想を「DeFi」にも適用したのが「DeFi 2.0」です。
つまり「Uniswapが債券」を発行して、その債権を買うことで、Uniswapの「トークン」を買うことができます。そしてUniswapの人気が「一時期に低下する場合」には、債権の販売で貯めた「貯金」を使うことによって、茨の道を切る抜けることができる、という発想です。
※注意:わかりやすさの為に「Uniswap」を例にしましたが、現時点のUniswapは、こういった機能を持っていません。あくまで「イメージしやすいように」という目的にて、仮想のストーリーを作りました。
DeFi 2.0の代表格は「OlympusDAO」です
というわけで、ここまで「DeFi 2.0」の解説をしました。繰り返しですが、Uniswapの話は「わかりやすさの為の、作り話」です。将来的には実装されるかもですが、現時点(2022年1月現在)では、こういった機能はありません。
では、こういった機能が実装されているプロジェクトは何か?
その代表格が「OlympusDAO」です。ここは過去記事で解説しましたので、気になる方は「デジタル国家の"誕生"に繋がるプロジェクト」の記事をどうぞ。
あと、もっと言うと「Fei プロトコル」というプロジェクトも「DeFi 2.0」です。両者とも「自分の財布を持っているプロジェクト」です。
※補足:僕は「自分の財布を持っている」と表記しましたが、カッコイイ表現を使うなら、プロジェクトが「流動性を持っている」とも記載できます。カッコイイ表現ですが、理解しづらいですよね。僕は「簡単な言葉」を好みます。
4.NFTへの基礎理解
続いては「NFTの話」をしていきます。といっても、現時点でも文字数が多いので、ここからはサクサク進めていきます。コーヒーでも飲みつつ、のんびり読んでください。
大半のNFTは、価格が低下した
仕方がないことですが、大半のNFTは価格が低下しました。振り返ってみると、下記のようなトレンドがありました。
- 2021年3月:海外でNFTバブル発生
- 2021年9月:海外でNFTバブル発生&日本でも発生
上記のとおり。そしてバブル後に「価格の低下」が起こっていたのですが、この記事の執筆時点 (2022年1月) では、徐々に価格が戻りつつあります。なお、こういった「価格トレンド」を追いかけるには、実際のデータを見るほうが良いです。
上記のとおりで、ちょい見づらいですが「2021年3月」に販売数が伸びて、そして「2021年9月」にも販売数が伸びて、その後に落ち込んだのですが、最近になって「再度の上昇」が起こっています。特に「Bored Ape Yacht Club」の伸びが凄いですね。下記がOpenSeaにあるデータです。
分かりづらいかもですが、Bored Ape Yacht Clubに関しては、ほぼ価格が低下せずに、継続的な上昇となっています。原因としては「アメリカのセレブ達が、BAYCを買っているから」だと思います。大物タレントやアーティストが、SNSアイコンをBAYCにしています。
強いNFTは、さらに強くなる
これは僕の予想でもありますが、たぶん「BAYC」や「CryptoPunks」といった超有名なNFTは、今後も継続的に成長します。
というのも、最近は「NFT投資」をするファンドも増えてきており、そのポートフォリオには、ほぼ間違いなく「BAYC」や「CryptoPunks」が入っているからです。また「Art Blocks、Cool Cats、Meebits」もよく見かけます。
こういったファンドは発信力が高い場合もあり、自らのポートフォリオの価値を高めるためにも、ポートフォリオ内にあるNFTを応援するはずです。このループによって、強いNFTが、さらに強くなります。
NFTを担保にして、お金を借りれる時代
下記のツイートをご覧ください。
おはようドバイ🌞
— manabu.nft (@manabubannai) November 4, 2021
仮想通貨のニュースです。
🔽NFT担保ローン、1作品で1億円以上の融資額を記録 https://t.co/lSxWkGDQ4u
NFTを担保にして「借金」をできる時代ですね。僕が所有するNFTも貸し出していき、そこから僕が「資金」を得て、その資金の「運用」で稼ごうと思っています
最近は「NFTを担保にして、お金を借りれる」というサービスが増えてきています。しかし2022年1月現在だと、まだ大きなプロジェクトは存在しません。小さなサービスにNFTを預けるのは、リスクが高い状況です。
しかし2022年の間には、NFTの「担保ローン」が広まっていくと思います。そして言うまでもなくですが、NFTの担保には「CryptoPunks」や「BAYC」が選ばれるはずです。これがニュースになり、有名NFTの「価格&信用」が高まりそうです。
adidasが綺麗なマーケティングをした
ご存知の方も多いと思いますが、下記のとおり。
WEN? EARLY ACCESS MINTING STARTS NOW
— adidas Originals (@adidasoriginals) December 17, 2021
👉 https://t.co/8l8dPwbZWG
First look of the collaborative NFT with @gmoneyNFT @punkscomic and @BoredApeYC
Good luck and #TracksuitUp pic.twitter.com/REYOSdRbNT
adidasがNFTの販売をして、初動で「約26億円」を売り上げました。なお、adidasのマーケティングは上手く、NFT販売をする前にも、コミュニティへの働きかけをしていました。下記のとおりです。
Today we leap Into The Metaverse with @BoredApeYC, @gmoneyNFT & @punkscomic.
— adidas Originals (@adidasoriginals) December 2, 2021
It’s time to enter a world of limitless possibilities.https://t.co/LmgtrRn20c pic.twitter.com/40kU8tayrS
まずは上記のような「プロモーション用ビデオ」を作りつつ、期待感を高めます。さらに、下記のツイートです。
#NewProfilePic pic.twitter.com/Dve8TbXT9k
— adidas Originals (@adidasoriginals) December 2, 2021
上記は「BAYC」のNFTですが、このように大企業がNFTを購入してプロフィール画像にすることで、コミュニティへの「参加」に繋がります。
言うまでもなくですが、BAYCのホルダーが喜び、かつBAYCのホルダーは「NFTマーケットで影響力の高い人」も多いと思います。
つまりadidasは広告費を使わずにも、効率的に「SNSマーケティング」をしていた訳ですね。その結果として、初動で「26億円の売上」を作れたのだと思います。素晴らしいマーケティングです。
補足:たぶん「着せ替えツール」も効果が大きい
ここは僕が個人的に思うことですが、たぶん「Ape Closet」というツールは、効果が大きかったと思います。下記のとおり。
上記に「自分のBAYCの番号」を入れることで、NFTの「着せ替えツール」になるんですよね。
そして仮に、あなたが「BAYC」を持っていたら、どうしますか? 間違いなく使いますよね。そして更に、Twitterとかに投稿しませんか?
要するにadidasは「自動かつ、NFTのセグメントに特化した、無料広告マシーン」を作った訳ですね。adidasのマーケターは天才ですね。
5.DAOの成長と問題
最後に「DAOの話」をして、記事を終えようと思います。
※補足:DAOの基礎が分からない方は、まずは「DAOを理解する為の完全ガイド」をご覧ください。
DAO = 史上最速のクラファン
まずは「ConstitutionDAO」の件を解説します。
2021年の11月に「ConstitutionDAO」というグループが現れました。その目的はシンプルで「歴史的文書である、アメリカ憲法の所有権」を買うことです。結果としては負けてしまったのですが、このバズをキッカケにして、DAOという言葉が広まりました。
約1週間で「47億円」を集める
このDAOがバズった理由は「秒速で、大金が集まったから」です。約1週間で「約47億円」も集めているので、つまり「世界最速のクラファン」とも言えます。
とはいえ、そこでは色々な問題が指摘されました。特に大きな批判だったのは「いったい誰が、資金管理しているのか?」という問題です。詐欺プロジェクトではなかったのですが、結局のところ、資金管理の問題は隠されたままでした。
※たぶん理由としては、税金の問題に繋っていると思います。明確に資金の所有者を決めてしまうと、その人には膨大な税金が発生する可能性があります。こういった問題を避けるために、資金の透明性が低かったのだと思います。
DeFiプロジェクトも、DAO化が進んでいる
ちなみに、DeFiで有名なプロジェクトも、徐々にDAO化が進んでいます。というか、大半のプロジェクトは「自分達は、DAOである」と主張しています。とはいえ、、ここは判断が難しいところです。
DeFiプロジェクトは、本当にDAOなのか?
まずDAOの定義としては、下記のとおりです。
- 自律分散型組織 → 自律しており、分散している組織
この「自律」という部分がヤヤコシイです。例えばですが、ビットコインは自律していると思います。中央に誰も存在しなくても、自動的にエコシステムが回っています。これは僕が思うに、綺麗なDAOだと思います。
その一方で、例えば「Uniswap」はどうでしょうか? Uniswapの中央には「開発チーム」がいて、大型のアップデートが繰り返されています。そしてアップデートの方向性は事前に決まっており、そのロードマップに向けて進んでいます。
これって果たして、DAOなんですかね? 謎です。結局のところ法人に近い形になっているので、僕が思うに、厳密な意味では「DAOではない」と思います。
大半のDeFiプロジェクトも同様です
Uniswapに限らず、他のDeFiプロジェクトも同様です。彼らは「自分達はDAOである」と主張しますが、それは謎です。明らかに開発チームが主導権を持っているので、厳密にはDAOじゃないはずです。
とはいえ、ここを厳密に批判しても意味がないので、僕は「DAO = 新しい起業の形」だと考えています。
プロジェクトがDAOである場合は、ほぼ間違いなく「ガバナンストークン」が配布されています。そういったトークンを持っていることで、プロジェクトの方向性を決める「投票」に参加できます。これが、2022年1月現在における、DAOの形です。
最後に:DAOが「バズワード」になっている件
最近のTwitterでは、DAOが「マーケティング用語」になっていると思います。とりあえずDAOと名乗っておくと、プロジェクトを伸ばしやすい感じです。例えばですが、下記のツイートです。
SOSトークン無料配布
— miin | NFT情報コレクター🔮 (@NftPinuts) December 25, 2021
OpenSeaユーザーが受取可能
⚡「NFTクリエイター、コレクター、NFTのエコシステムを支援するために立ち上げられた組織」OpenDAOが配布
⚡OpenSeaでNFTを売買したことのあるユーザーはガス代を支払い受け取り可、期限はゆったり6/30まで
🇯🇵coinpost記事https://t.co/HO4kiuHvgS
先日に「SOSトークン」を発行するプロジェクトが出てきました。運営は「OpenDAO (@The_OpenDAO)」という組織です。
OpenSeaの利用者にトークンを配ったことで、そこからバズりました。そしてトークンがバズることで、トークン価格が上がり、プロジェクトが資金力を持ちます。こういった流れを起こしつつ、次なる「一手」を探る感じですね。
なおOpenDAOに関しては、今後は「NFTの予測市場」と「専用チェーン」を開発する予定があるとのこと。マーケティングの上手いプロジェクトで資金力もあるので、今後に期待です。
というわけで、今回は以上です。
ここまでの情報を抑えておけば、2022年の「仮想通貨トレンド」を追いかける際に、色々なニュースを深く理解できるはず。
そして当サイトでは、今後もマーケットのニュースを発信します。これは「僕が勉強するため」の記事でもあるので、完全無料です。
それでは引き続きで、コツコツ学んでいきましょう(`・ω・´)ゞ
※PS:普段の思考やビジネス戦略は「積み上げメルマガ」から発信しています。